痴漢・盗撮の被害者になったときのQ&A
Q1 痴漢の被害者です。犯人を厳罰に処してもらいたいと思います。どのようにすればよいでしょうか。
まずは警察に、被害について捜査に着手してもらい、検察庁への送致(送検)をするよう促します。
送致後、犯人をを裁判にかける(起訴する)かどうか、どの程度の刑罰を裁判所に求めるかは「検察官」が決定します。ですので検察官に対し厳重処罰を働きかけます。痴漢の被害者として精神的なダメージが大きいこと、その後の生活にも支障が出ていることを検察官に伝えます。
各段階で、弁護士に依頼し、警察署まで同行してもらうこと、またあなたのお気持ち・状況を文章にまとめてもらい、警察官・検察官に提出することがよいと思います。
最終的に公判請求がなされた場合には、刑罰の重さは裁判の場で裁判官が決定します。痴漢行為が「不同意わいせつ」に該当する場合には、「被害者参加」制度を利用でき、裁判の場で被告人を追及したり、お気持ちを述べたりすることも可能です。「被害者参加」が可能な場合には、それを利用された方が、量刑は重い方向になると思います。
なお「示談」や「損害賠償の受領」に応じた場合は、加害者が不起訴になったり、刑が軽くなったりする場合があります。
Q2 痴漢の被害者です。示談に応じてもよいと考えていますが、弁護士への相談はどのタイミングで行えばよいでしょうか。
遅くとも、犯人の弁護士から示談交渉の申し出があった段階で、すぐ弁護士に相談すべきです。
当事務所では無料での電話・メールでのご相談をお受けしています。
犯人が起訴されてしまうと、犯人側が示談の意欲をなくしてしまう場合もありますので、時期を逸せず対応する必要があります。
Q3 痴漢の被害者ですが、示談を断った場合、慰謝料は請求できないのでしょうか。
示談交渉に応じなくても、痴漢被害者など性犯罪被害者には、加害者に対する慰謝料請求権があります。
ただし示談以外の方法では、現実に慰謝料を回収することが難しい場合も少なくありません。
痴漢の被害者としては、示談交渉でできるだけ納得のできる条件を目指した方が良い場合もあります。
Q4 痴漢の被害者です。示談をしたくないのですが、悪いことなのでしょうか。逆に、示談でお金をもらうのが、「代金」を受け取るように感じます。
示談に応じることも、応じないことも、完全に被害者の自由です。
加害者の弁護士には高圧的に示談に応じるよう要求する者がいます。
しかし、被害者にとって、加害者を許して示談に応じることを難しく思う方も少なくありません。被害者の気持ちを無視して、示談を押し付けることはあってはなりません。
逆に、示談に応じることで被害者が責められることも全くありません。
日本の法制度では、被害者が被害の賠償を受けるためには、お金を受け取取る以外にありません。
痴漢の被害者が、被害回復のためにお金を受け取ることは、うしろめたいことでは全くありません。
Q5 痴漢の被害者です。犯人は犯行を否認していますが、納得のいく示談金を受け取ることは困難でしょうか。
犯人が犯行を否認している場合でも、必ずしも痴漢の被害者にとって納得のいく示談ができないわけではありません。実際当事務所では、そのような場合に痴漢被害者にとって納得のいく条件で示談を成立させた実績もあります。
痴漢の加害者は家族や職場の手前「冤罪だ」と嘘をつくことも多いです。その反面、被害者と示談がしたくて弁護士に依頼することもあります。
ぜひ弁護士にご相談くさだい。
Q6 盗撮の被害者ですが、弁護士に示談交渉の代理をお願いする場合、弁護士報酬はどのくらいかかるのでしょうか。
痴漢被害者など性犯罪による被害者が加害者から示談の申出を受けて、交渉の代理を弁護士に示談を依頼する場合、「報酬金(成功報酬)」のみのご負担で弁護士に依頼できます。
当事務所の場合、報酬金は示談金額の10%(税別)となります。
弁護士によって、報酬体系は異なります。事前に十分ご確認ください。
Q7 痴漢の被害者です。加害者の弁護士との示談交渉を弁護士に依頼すれば、示談金額は必ず上がりますか?
これまでの経験上、上がる傾向にあると言えます。
痴漢の被害者と加害者側の弁護士とで「交渉力」に差があります。痴漢の被害者は法的知識がないために、加害者側の弁護士から「この金額が妥当」と言われてしまうと、それ以上請求することに困難を感じがちです。
実際には、加害者側の弁護士は、加害者本人の利益を図るため、被害者に低めの金額を提示することがほとんどです。
本来、痴漢の被害者は交渉上有利な立場にあります。被害者も弁護士を代理人に立てることで、その有利さを最大限発揮できます。
Q8 痴漢の被害者です。示談金の相場はどれくらいですか。
加害者側の弁護士から迷惑防止条例違反の場合では20万円前後、不同意わいせつの場合は50万円前後が、「相場」として提示されることが多いです。
しかし痴漢の被害者から見て、この「相場」が示談金額の「妥当な水準」とは言えません。
痴漢の被害者は、痴漢をされた「その場」のみではなく、その後も継続して、痴漢被害による精神的な症状に苦しみます。20~50万円という金額は、そうした痴漢の被害者の苦しみに到底見合いません。
どの程度が妥当な金額かを決めるのは、被害者であるあなた自身です。
痴漢の被害者には、納得ができない条件で示談する『義務』はありません。
Q9 痴漢の被害者です。示談交渉で加害者に300万円を請求したいと思います。構わないでしょうか。
もちろん構いません。痴漢の被害者が示談交渉を行う際には、ご自身が納得できる金額を加害者側にぶつけてよいです。
ただし示談交渉では、被害者も加害者も、お互い相手に合意を強制することはできません。
それでも最初から「遠慮して」不本意な示談金額の提案をする必要はありません。痴漢の被害者であるご自身が納得のできる金額を提示することが大事です。
Q10 痴漢の被害者です。「示談」の申し出を断っていましたが、「『損害賠償の受け取り』だけでもしてほしい」と言われました。「示談」と「損害賠償の受け取り」はどう違うのでしょうか。
通常「示談」とは示談金を受けとる代わりに、痴漢被害者など性犯罪の被害者が加害者を「赦す」、つまり警察への被害届や告訴を取り下げて、加害者の刑事処罰を求めないことを含むものです。
「損害賠償の受け取り」とは、性犯罪の被害者が加害者を「赦す」ことなく、お金だけを受け取る合意です。加害者には依然として刑事処罰を受ける恐れがあります。
それでも加害者にとって、被害者にお金を支払うことで、その後の刑事手続きが有利に運ぶことを目指しています。
具体的には、刑罰が軽くなったり、場合によっては検察官が起訴(加害者を裁判にかけること)を見送ったりすることもあります。
Q11 痴漢は「抵抗しなさそうな」「おとなしそうな」印象の人を狙うと聞きました。私が痴漢被害者になったのは、そのような印象の私が悪いのでしょうか。
あなたが痴漢の被害者になった時、悪いのは全面的に痴漢の犯人です。あなたのせいでは全くありません。
あなたがどんな印象であろうと「痴漢をしてよい」理由にはなりません。痴漢は法律で犯罪とされている卑劣な行為です。
「痴漢に遭わないように自分の印象や服装を変える」ことは、その時点で「自分らしくいる」ことができなくなるという「痴漢による被害」だと思います。
ただし痴漢対策として、服装や印象を変えたいと思った時に変えるのは、あなたの自由であることはもちろんです。
Q12 痴漢の被害者です。犯人をどうしても許せず、示談はしたくありません。それでもサポートを依頼することはできますか?
もちろん可能です。当事務所では、依頼者である痴漢など性犯罪被害者にとって納得のできる解決を目指します。
示談を希望しない場合でも、警察や担当検事との連絡・折衝や事情聴取への同行などを弁護士としてお引き受けします。
ぜひ痴漢被害者など性犯罪被害者無料相談窓口までご相談ください。